画像制作ソフト
GIMPでの毛筆画像の切り抜き(クリッピング)

GIMPを使って書道・毛筆で書いた文字や絵を切り抜いて合成用画像を作る方法です。
別に用意した背景画像との合成やレイアウトに配置する場合に使用します。
写真画像の切り抜きと違って、白・黒の2色なので手作業ではなく数値の入力で行います。
背景の差し替えや他の合成画像の一部として使用するためには、一度切り抜いたものをGIMPのXCF形式で保存しておくと再利用ができて便利です。
保存容量・作業時間に問題がなければ、基本的に拡大・縮小せず、元のサイズのまま使用します。

  • GIMPのバージョンは、2.8.18。

原稿の作成

毛筆で文字・絵を書く

毛筆で文字・絵を書く

書道の半紙に墨・筆を使って文字や絵(イラスト)などを書き(描き)ます。

スキャン・カメラ撮影

毛筆原稿のスキャン・カメラ撮影

他のプロジェクトで再利用することを考えて、高い解像度で白・黒のコントラストが強くなるように設定・調整してスキャンまたは撮影します。

撮影のポイント
  • 明るい場所で撮影する。
    感度アップによるノイズを減らし、ズームによる光量不足に耐えシャッター速度低下による手振れを防ぐため。
  • 光学ズームがある場合は、できるだけ離れて望遠で撮影する。
    撮影対象の中心から端までの距離が10cmのとき、10cmの距離からでは約14.1cmで端に行くほど小さくなり、100cmの距離からでは約100.5cmのようにできるため。
  • 絞り・シャッター速度の調整ができる場合は、絞りを上げるとボケにくい・シャッター速度を上げるとブレにくいことを意識して+1くらいで撮影する。

切り抜きの手順

階調の調整

GIMPでの色レベル調整
  1. メニュー > 画像 > モード > グレースケール を実行する。
  2. メニュー > 色 > レベル を選択して「レベルダイアログ」を開き、「入力レベル」の右の数値を右端のほうにある山のあたりに設定し、「OKボタン」をクリックする。
GIMPでのコントラスト調整
  1. メニュー > 色 > 明るさ-コントラスト を選択して「明るさ-コントラストダイアログ」を開き、「コントラスト」の数値を白い部分の濃淡がなくなりほぼ1色に見える程度に上げて、「OKボタン」をクリックする。

レベル・明るさ-コントラストは、メニュー > 色 > しきい値 のほうが簡単です。

背景を削除

GIMPでの背景を削除
  1. メニュー > レイヤー > 透明部分 > アルファチャンネルの追加 を実行する。
  2. メニュー > 選択 > 色域を選択 を選択して「ツールオプション」で「なめらかに」を「ON」に、「しきい値」を64〜128に設定し、白い部分をクリックする。
    拡大表示して細部を確認し、白い部分が選択もれしていれば「しきい値」を上げて、黒い部分も選択されていれば「しきい値」を下げて、再び白い部分をクリックする。
  3. ほどよく選択ができれば、メニュー > 編集 > 消去 を実行する。

黒を塗りつぶす

GIMPでの前景の塗りつぶし

白に近い背景に合わせる場合には問題なくても、黒に近い背景に合わせると輪郭が白っぽく浮いて見えるため、調整します。

  1. メニュー > 選択 > 選択範囲の反転 を実行する。
  2. 描画色を黒にして、メニュー > 編集 > 描画色で塗りつぶす を実行する。

完成

GIMPでの毛筆画像の切り抜きの完成
  1. メニュー > 画像 > 画像の自動切り抜き を実行する。
    余白が残る場合、透明に見える部分の周囲側を選択ツールで選択・削除して、再び画像の自動切り抜き を実行する。
  2. 余白がなくなれば、毛筆画像の完成です。

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